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ミステリー・サスペンス
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評価 5.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年05月04日 00:29 |
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存在のすべてを
>写実画家を追うからこそ,その取材には独自の魅力があった.<本書57%>
作者らしい重厚で繊細な社会派ミステリ.丹念な描写と重層的プロットが感動を増幅させる.写実絵画の効果的な位置付けも成功している.
三十年前に起こった二児同時誘拐は,本命事件の被害児が三年も経って戻ってきたが,未解決のまま時効となっていた.当時駆け出し記者だった門田次郎は,交流のあった刑事の死を契機に事件の取材・調査を開始する.一方,画商の土屋里穂は,高校で同級だった嘗ての被害児が人気画家になっていると知る.
序章,9つの章,終章からなる.表記は三人称多視点.序章で捜査側から事件を提示する.9つの章は概ね3部に分けられ,序盤で謎を浮き彫りにし,中盤で門田と里穂が独自に行動して謎に迫り,終盤で「空白の3年間」の真相を当事者視点で描く.二筋の視点の流れが合流して感動の終章へ.プロットが時間的にも空間的にも複雑なので,丹念に読み進めたい.
登場者たちが大変魅力的だ.運命的出会い,親子愛,師弟愛がテーマ.終章に書き残しがあり,読者に想像させる.表題は,そこに在る全てを描写する写実と,存在の全てを掛けた教えとを二重に含意すると読んだ.
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年04月27日 14:12 |
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岬洋介シリーズ長編8作目は,前作『お別れは…』に始まる第三部「客員演奏シリーズ」の2作目にあたる(とは,私の勝手な位置付け).
時間は前作に続くが,舞台は一転してニューヨーク.大統領選を契機に白人至上主義が台頭して米国社会の分断が進んだ.ピアニストのエドワード・オルソンは,多様性の尊重を狙って年末のクラッシックコンサートの演目に「ラプソディ・イン・ブルー」を選び,コンクールのファイナリスト仲間・岬との二台ピアノの共奏を目玉におく.一方,新大統領暗殺を依頼されたテロリスト〈愛国者〉がとる行動は・・.
4章構成で各章は4節からなる.三人称多視点の表記.おもにエドワードと〈愛国者〉の視点で概ね交互に描き,テンポ良くクライマックスへ進む.
先行作と比べてもミステリ味は薄くドンデン返しも殆どない.しかし,語り口や演奏場面は抜群に良く,劇的シーンを演出するために様々な要素を配置した作者の意図が随所に窺える.
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本ですので内容や評価は控えますが、よい本だったことは書き添えます。
商品や読後感には大変満足しています
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本ですので、本の内容や評価は控えます。
商品や読後感には大変満足しています
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評価 5.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年04月24日 22:42 |
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焔と雪 京都探偵物語
元刑事の私立探偵・鯉城武史と共同経営者の安楽椅子探偵・露木可留良とのコンビが,大正十年頃の京都を舞台に活躍する本格ミステリの連作短編集.とても面白かった.
5話で構成.鯉城の一人称視点でハードボイルド調に進み,最後に露木が謎を解く.京都の世相や地理の描写がレトロな雰囲気を醸し出す.
ただし,第四話だけは露木の一人称視点.幼馴染の二人の出会いで書き起こし,九歳頃に起こった殺人事件を推理して関係が確定する.後半のドンデン返しに驚いた.回収されない伏線が幾つもあって気になってはいたが・・.第五話は安楽椅子探偵を介さず,ほぼ純粋な私立探偵物.事務所開設の経緯にも言及する.
表題の「焔」は露木の象徴だが,「雪」の方は何やら分かり難い.雪を印象的に描く第五話は鯉城だけが活躍するものの,彼から雪は連想できない.古都の象徴か,露木の二面性か?
百年経つからだろう,大正後期を扱ったステリが最近目につく.京都が舞台の本作を,同年代の東京を舞台とする夕木春央の作品群と比べる楽しみ方も可能だ.最後に「真逆」について.多くは驚きや疑念の意「まさか」と読ませていたが,一ヶ所だけ「まぎゃく」正反対の意だった.混在は珍しい.
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年04月17日 22:00 |
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小説家と夜の境界
変人小説家の生き方を観察するのが趣味という作家が,変人小説家たちを紹介していくというホラー系の連作短編集.面白かった.
7話を収録する.各話は概ね4節での構成だが,5節が1話だけある.表記は作家「私」の一人称視点.登場人物はすべてアルファベットで示す:O氏,Yさん,K先生,X先生,R先生,D先生,J先生・A氏・N君.
語り口がとても快適で,捻りも効いている.次々登場する小説家は変人だらけで,小説家自体がホラーになるんだと感心した.「私」はホラー系雑誌に寄稿していて,作者自身がモデルという体裁.第二話と第四話では多作の作家2人を対比的に見るという楽しみ方もできる.
最終話は変人でない点が異質だ.眼の動きで意思疎通ができるはずのところを,上手に完全閉じ込め症候群にしてある.精神感応がありなら,脳波スイッチよりも確実だ.当然生じてくる問題は,ミステリならもっと拘りたいところだが,あっさり処理している.
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年04月06日 21:48 |
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化石少女と七つの冒険
『化石少女』の9年ぶりの続編.学園ミステリの態だが,殺人が頻発するし,探偵と助手の関係も独特だ.前作を読んでいれば面白さは倍増する.
前作の翌年度.名門高「ベルム学園」古生物部の部長・神舞まりあは三年に,桑島彬は二年にそれぞれ進級し,待望の一年生・高萩双葉も入部した.変人まりあは新種恐竜の化石を発見して一躍時の人となった.そんな中,またも殺人事件が相次いで発生し,まりあが天才的推理力を発揮する.その推理を否定していく方針だった彬の心に迷いが生じ始める.
7つの章で構成する.一章ごとに一応完結し,連作7話の体裁をとる.表記は三人称視点で,彬が主要視点者.
叙述トリックに驚かされた.壮大な仕掛け.先行例がありはしても,多くの読者は騙されるだろう.麻耶雄嵩,恐るべし.なお,各ロジックは素晴らしいが,前作と違って着想に古生物の知識は関与しない.彬から見たまりあとの距離感が徐々に変化する過程も読みどころ.
*
「一歩譲って」〈本書16%〉という表現を滅多に見なくなった.「一歩退き,お先にどうぞ」と仮定的節内で譲歩を表す.私は最近の「百歩譲って」が受け入れ難い.百歩も退けば,譲歩とは異質の行動だ.譲る気などなく,された側はおちょくられたと思う.「百歩譲って」は昔は無かった.いつの間にか出現し,たぶん前世紀末に定着して,ミステリでも最近は専ら「百歩譲って」と書かれる.シリーズ前作『化石少女』には一歩譲歩したり,十五歩譲ったり,百歩や千歩譲る表現も登場した.本作には百万歩〈61%〉も出てきた.「百歩譲って」への作者の皮肉が感じられて面白い.文章の専門家たる作家諸氏には正しく「一歩譲って」と表記して欲しい.
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年03月30日 10:33 |
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エレファントヘッド
グロやサイコが苦手で作者のミステリを敬遠していたが,前作『名探偵の…』は面白かった.グロ・ミスに戻った本作は読者を選ぶだろう.特殊設定の多重解決物として上出来だけど.
幸せな家庭・愛すべき家族を死守したい精神科医の象山晴太は,謎の薬「シスマ」を手に入れると,とんでもない殺人事件に巻き込まれていく.序章と終章で挟んだ8つの章からなり,章題を二字熟語で統一する.三人称多視点表記で,象山が主要視点者.第四章の構成が面白い.
シスマの特性,情報共有の方法,相互抑止のルールなど,特殊設定がとても複雑なうえ,設定説明が3つもの章に跨る.グロにしなくても特殊設定が成立するのにと終盤まで誤解していたが,最後に明かされる本作最大のトリックにグロ設定が不可欠だったのだ.
張り巡らされる伏線の数々と,ドンデン返しに継ぐドンデン返しに翻弄される.ただし共感できる人物が一人も登場しない.解決へのロジックも美しさを欠いた.
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評価 4.00 フラワー会 (991件) 60代/女性 |
2024年03月30日 09:07 |
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楽しみ
沢山読みたいので中古本を購入しました。ありがとうございました。
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評価 4.00 フラワー会 (991件) 60代/女性 |
2024年03月30日 09:06 |
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楽しみ
沢山読みたいので中古本を購入しました。ありがとうございました。
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評価 5.00 安曇野人 (90件) 60代/男性 |
2024年03月28日 19:18 |
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吸血鬼の話
恐ろしくも悲しい話。続編があるようなので読もうと思う。
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年03月24日 00:36 |
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未明の砦
作者の作品はどれも骨太の社会派サスペンスで,本作も面白かった.大手自動車メーカの若い非正規工員・矢上達也ら4人は共謀罪の初適用により逮捕されようとしていた.彼らに何があったのか,窮地を脱することができるか?
終章を含む7つの章を103の節で構成する.表記は三人称多視点.矢上,管理側,警察当局,週刊誌記者などの視点で複合的に描く.12月現在から書き出し,一旦8月に戻って現在へと進んでいく.複雑だが混乱はしない.
人物や情景の描写がリアル.語り口も良い.緩慢だったテンポが,人物相関の明瞭となる中盤から快調に進み始め,手に汗握る終盤へ.追い詰められた矢上たちは捨て身の行動に出る.
経営者,管理担当,労使関係,安全衛生管理の,前世紀のような極端な在り様は現実味を欠くが,共謀罪の適用拡大に掛けた歯止めが容易に外れうる危険を強調した設定だ.表題の「未明」は押し付け民主主義が未だ定着しない本邦の暗喩でもある.
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評価 5.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年03月10日 21:15 |
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十戒
>以上の事項が守られなかった場合,作業小屋の爆弾の起爆装置が作動する.<本書26%>
急死した伯父(内容紹介の「叔父」は誤り)が所有していた孤島にリゾート化計画が持ち上がった.浪人中の大室里英は,相続した父に連れられて関係者たちと九人で視察に訪れた.翌朝,一行の一人が殺されてしまう.訪問者たちは,正体不明の犯人から禁止・義務の10項目「十戒」が課され,恐怖に怯えながら開放まで3日間を過ごす.
作者5作目の本作は,傑作『方舟』に匹敵する面白さだ.プロローグに続き,孤島滞在の4泊5日を5つの章で描く.表記は里英の一人称視点.
クローズドサークル物でお約束の「犯人探し」が戒律で禁じられるのがミソ.里英を少し未熟(年齢相応とも言える)に設定したのも上手い.里英が内心で指摘したりする数々の謎,解決へのロジック,伏線回収など,どれも優れているし,ドンデン返しの鮮やかさも評価を高めるだろう.
作者のミステリは大正後期の東京を舞台とした作品群も面白いので読み逃しなきように.現代物の『方舟』と本作は作品の分量,聖書の引用,5章構成,クローズドサークルなど形式が共通する(人物も?).旧約聖書シリーズが続くのかも.
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評価 4.00 フラワー会 (991件) 60代/女性 |
2024年03月06日 10:08 |
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沢山読みたい
沢山読みたいので中古本を購入しました。ありがとうございました。
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評価 4.00 フラワー会 (991件) 60代/女性 |
2024年03月06日 10:07 |
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沢山読みたい
沢山読みたいので中古本を購入しました。お安く買えて良かったです
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年03月04日 19:52 |
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歌われなかった海賊へ
『同志少女…』に続く,戦時ミステリの傑作だ.ナチス政権末期のドイツ西部の田舎町が舞台.父親の仇を殺そうとしていた16歳の少年・ヴェルナーは,レオとフリーデにそれを阻止され,エーデルヴァイス海賊団の仲間に加わる.禁止されていた徒歩旅行で,建設されたばかりの線路の先へ進んで行くと,終点は強制収容所だった.彼らは思い切った行動に出る.
章立てしないが,序章と終章に相当する現代部分と,本体部分の「小説」とで構成し,前者を歴史教師の,後者をヴェルナーの,それぞれ三人称視点で描く.
社会情勢を含め,時代考証がしっかりしている.登場人物が活き活きし,後ろ三分の一のスピーディな展開も読ませる.
世界大戦を現在視点から語るには難しい時代になった.作中作の書き手がなぜ今になって書いたのか疑問だが,「エ…海賊団」が同時多発的な小規模活動なら,郷土史として繋げるのは悪くない.少数派尊重や居場所探しは今日的課題でもある.
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中古品であるため若干の皺はありましたが読んでいて全く気になりません。推理小説は使い捨てであり、犯人がわかった後で再読することはあり得ませんので十分な品です。
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年02月23日 16:28 |
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歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理
怪異譚を合理的に解決する安楽椅子探偵物の連作短編集.内容紹介によれば,新シリーズが始まるらしい.
時代は刀城言耶が活躍する昭和30年代.大学図書館棟の地下に,特別講師である刀城の研究室・怪異民俗学研究室「怪民研」がある.彼が採訪の旅で不在の間は作家・天弓馬人が留守を任されていて,刀城から依頼された怪異譚を,大学生・瞳星愛が天弓に紹介し,記録・整理する役割の天弓が論理的に解決していく.
ほぼ同じ長さの5話からなり,各話は4から6の節で構成される.表記は三人称視点.第一話でシリーズの背景やフォーマットが提示され,書き下ろしの第五話には掉尾を飾る味付けがなされる.亡者,首無女,座敷婆,孤鬼,口食女など,全話に妖怪変化が登場し,謎や不可能犯罪に絡んでくる.
謎は粒ぞろいで,特に第一話と第五話が印象に残った.進行と共に二人の距離感は何となく近づいていく.作者の代表的2シリーズを連結する立ち位置も示される.
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評価 4.00 フラワー会 (991件) 60代/女性 |
2024年02月17日 10:53 |
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沢山読みたい
薬丸岳氏の本が好きです、ありがとうございましった
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評価 4.00 フラワー会 (991件) 60代/女性 |
2024年02月17日 10:52 |
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沢山読みたい
お安く買えて良かったです、読むのが楽しみです。ありがとうございました。
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母が読みたい本です
なかなか本屋さんに行けないので助かります
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いつもありがとうございます商品も綺麗でとてもいい買い物をしたと思います。ただ到着が土日でもあったのですが到着が早ければ嬉しかったです。早く読みたかったので。
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年02月06日 22:44 |
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桜の血族
警察小説や社会派ミステリを量産してきた作者の新作は,警視庁暴力団対策課・マル暴の女刑事の活躍を描く.主人公の仲野誓は伝説のマル暴刑事の娘であり,現役マル暴刑事の妻であって,元マル暴刑事でもあるという設定だ.銃撃で夫を半身付随にした犯人を逮捕するために彼女が現場復帰すると,最大の暴力団・吉武組が分裂し,抗争を迎えようとしていた.
序章,7つの章,終章で構成する.表記は三人称多視点で,誓が主要視点者を担う.
誓はしばしば無謀な行動を取るので感情移入しにくいし,残虐場面も度々登場するのだが,マル暴,ヤクザ,外国マフィアなど良く調べてあってリアルだ.主要人物たちの造形や心理描写も優れている.
読むのが5冊目にもなると慣れてきて展開を予想しやすくなるけれど,結末は予想の斜め上を行った.表題の意が心に沁みた.終盤で提示された3つの謎は終章で一応解決をみる.何部作かの第一部らしい終わり方で,続編も期待できる.
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評価 5.00 テス007 (187件) 60代/女性 |
2024年02月01日 11:24 |
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茶色の服を着た男は昔から大好きだったのですが紛失してしまったため、こちらで購入しました。アンの冒険、若い頃はホントに憧れて、読むたびにワクワクしていたので、再び手にすることが出来て嬉しいです。本の状態は良いとのことでしたが、さすがに古さは否めず、焼けが強いなとは思いました。でも、古い本ながら丁寧にメンテナンスされていることは良くわかり、非常に好感を持ちました。縁あって私の手元に来た本ですから、大事にしたいと思います。
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評価 5.00 フラワー会 (991件) 60代/女性 |
2024年01月29日 10:29 |
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沢山読みたい
沢山読みたいので中古本を購入しました。ありがとうございました。
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キャンペーンで購入しました。うっかりはまってしまいました。
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年01月21日 16:20 |
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サクラサク、サクラチル
「染野さ,気づいていないかもしれないけれど……それを『虐待』っていうんだよ」<本誌8%>.切ない青春ミステリ.受験を控えた高三の染野高志は,ヒョンなことから同級の星愛璃嘉と親しくなる.家庭環境や虐待内容は正反対だが,同じく親から虐待を受けていたと二人は気づき,親への復讐を誓いあう.
序章,3つの章,終章で構成し,場面転換を主に*行で示す.表記は染野君の一人称視点.心理描写が読ませるし,星さんもキャラ立ちしている.
それぞれの親の鬼畜さがあまり酷いので,復讐には溜飲が下がるのだが,少し無理筋もある.染野君への嫌がらせは伏線が分かりやすく,星さんと同じ位のタイミングで犯人の見当がつくかも.ただ,解決へのロジックはしっかりしている.
裏テーマは「幸せ」だと思う.色んな幸せを提示されたり押し付けられて,幸せを感じる閾値が低すぎた二人(本書58%)が,真の幸せを実感するラストシーンにはホロっとさせられる.
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評価 4.00 坂枝圭 (219件) 60代/男性 |
2024年01月19日 23:16 |
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私雨邸の殺人に関する各人の視点
「『私雨』っちゅうのは」と一条さんが口を開く.山の上の方で狭い範囲に降るにわか雨のことやったかな」<本書17%>
ユーモア風味のクローズドサークル・ミステリ.雨中の土砂崩れで孤立した山奥の別荘・私雨邸に,オーナーとその孫たちや,招待客のT大学ミステリ同好会の2人など,11人が取り残された.その夜にオーナーが刺殺され,犯人当ての推理合戦が始まる.
章立ては全9章.表記は概ね一人称多視点で,視点者を隅付き括弧【】で囲って示し,【X】で神の視点も.
探偵不在で各人が推理を展開するところが面白い.視点者が次々変わるのも良いが,終盤には余計な視点交替もある.密室,ダイイングメッセージ,連続殺人,怪しい人物たちなど,クローズドサークル物のアイテムが勢揃い.屋内描写も的確だ.人物に厚みがないのは,ユーモア調だからか.最終的に思いがけない人物が解決するが,ロジックはしっかりしている.ただし,動機に共感しにくい.
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評価 4.00 紫0277 (321件) 60代/女性 |
2024年01月16日 16:51 |
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京都の日本画壇に所属しながら30代で早逝した父。生きていればこのような試練を乗り越えられていたのかと。
アトリエの父、ラックにギッシリ並べられた岩絵具の入った小瓶、膠を溶かす匂い、忘れていた全てを思い出させる作品でした。
全く個人的感想です。
この作品に出会えた事に、感謝いたします。
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