私は理学療法士です。
この山口先生は日本の理学療法の分野において、もっとも権威があり、もっとも採用されにくい、つまり質の高い論文しか採択されない学術誌において、この腰痛治療法の研究論文が採択されただけでなく、それらの論文のなかでも特に優秀な論文に贈られる優秀賞を受賞している先生です。恥ずかしながら私には論文を読み解く能力がないため(質の高い論文を書いたり、読みこめたりできる理学療法士は本当に一握りです)、この本で勉強させていただいています。
この類の本は研究で検証していない、つまり根拠のない著者の治療法を紹介しているものが多い(すべて)ですが、この本の治療法は臨床研究、統計解析で検証済みの唯一効果が確証された方法です。
しかも、腰痛の80%以上としていますが、そもそも腰痛の15%は骨折やがんなどリハビリでは治せない腰痛のため、原因が特定できない非特異的腰痛では、統計学的にほぼ100%改善している方法です。恐らく類書のような、研究で検証されていないにも関わらず99%や9割は治るという売ることだけ考えている本とは違い、患者さんに誤解が生じないようにと真面目で真摯な先生なのだと思います。日本だけでなく最新の海外の研究論文も紹介されていますが、分かりやすく書かれており、理学療法士としても目から鱗の情報が満載です。早速このまま普段のリハビリで指導させてもらっていて、患者さんが次々に治っています。本では簡単に書かれていますが、実はすべての項目が考え抜かれた深い内容になっています。
腰痛患者さんだけでなく、指導する側にもおすすめな本です。