【楽天市場】一度きりの大泉の話【電子書籍】[ 萩尾望都 ](楽天Kobo電子書籍ストア)

一度きりの大泉の話【電子書籍】[ 萩尾望都 ]

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購入者さん

4 2021-09-23

一気に読みました: …50年もこれほどの思いを抱えて（埋めて）過ごされることは辛いと思うので
ご本人の平安のためには、カウンセリングなど受け心の整理をされるべきなのでは、
と本気で思いますが
そうやって心が穏やかになっていたなら
この件も含め敏感に捉える心の繊細さがなかったなら
これほどの作品群は生み出せなかったのかも、とも思います。
ご両親との関係が大きく影響しているのではと推察しますが
自己評価が低いからこそ、「もっともっと」｢まだこれではダメだ」と
表現を突き詰めるのではないか、という気もする。
とっさの時に、感情や説明をすぐ言葉に出来ないのは私自身も同じでものすごく分かる。
相手が頭の回転が速い竹宮先生と増山女史なら尚のこと。
そして後になって「ああ言うべきだった、こうすべきだった」と後悔や悔しさが募る。
改めてそれを言う機会を設けるのも怖いし「今更…」とも思う。
何より、自己評価が低いのでまず自分を責める。
そして心がジクジクと膿みはじめ、負の感情が増幅する…。
すごく分かります。
一般人の私は少しずつ克服したり受け流したりできるようになりましたが
繊細すぎる萩尾先生は、ただ永久凍土に埋めて、創作に邁進してきたのでしょう。
そして竹宮先生の気持ちも痛いほど分かる。
ずっと自分が温めてきたテーマ(に似たもの）を、さっさとすごい完成度で出されてしまう。
一緒に住んで、そのことを知っていただろうに（と思っている。）どうしてそんなことが出来るの？と。
糾弾した時は冷静だったようですが、相当な怒りもお持ちだっただろうと思います。
とはいえ増山女史があれほど少年、少年、と吹き込んでいたんだから
似た着想があっても当然のことだし。(中身は全く違うんだし。）
しかしドラマ化などを持ちかける人々が
「(竹宮さんが）萩尾さんさえＯＫならと言ってましたよ」と嘘をついていたというのは
本当に汚いよなあ。（竹宮先生の妹さんの記事で読みました。）
そのせいで萩尾さんはこの本を書かざるを得なかった。嘘だとは知らずに。
もう１つ、元々が口述筆記というのを冒頭に書いておいてほしかった、編集さん。
そうとは知らず読み、ずいぶん取り乱されているな、という印象ばかりが当初強かったので。
それも含め萩尾さんの希望かもしれないけど。
しかし萩尾さんには、いつか何とか心安らかになられてほしいと
１ファンとして願います。; このレビューのURL