ブラック・ラブという香りをご存知だろうか。様々な国の様々なメーカーから発売されている。私が試したそれらは、いずれもベリー系の香りだった。この品は、それらのブラック抜き。まさにラブ。しかも、ジャムっぽい甘さが加わっている。
インド香を多数試してきた。ベリー系もあったが、いずれにも無理を感じた。嫌いで、受け入れられないのではない。乾ききった煙で表現されたジューシー香に無理を感じてきたのだ。
衛生感に欠ける生活臭を中和する煙に、果物の合成香を無理やりねじ込んだ感があり、フレグランスとは評価しがたい。
アメリカ香にはそれがない。このメーカーの品のほか、Misticks、Wild Berryを試してきた。いずれのメーカーにも、アメリカ香ならではの洗練感がある。ちょいガーリーが決まった淑女とすれ違ったときの残り香を、スモーキーにしたフィーリング。
こういう香りを、モテたためしがないとっつぁんが、散らかった和室で独り侘しく焚く。
何、ラヴ!?その相手が42年間存在せぬ!There is no love in my life!!
明らかに俺未満の男にできて、俺にできない理由とは何か!
胸毛か!?腕毛か!?足の指毛か!?いや、頭の毛のなさだろう。糞ゥ!
たったの1本を焚いただけで、こうも錯乱に陥れる強力香。
「ブラック・ラブ=たいていベリー系」であり、それらは黒い暗がりの中で行う愛の行為用品たる解釈があるお香愛好家には、エクストラリッチシリーズの中にある同名品より、こちらのほうに裸部を感じる。