初の辻村作品です。映画やドラマはよく拝見してますが、こちらはTV番組で紹介されていて、「ホラーよりホラー」という出演者の言葉に、ホラーが苦手なのに惹かれて購入、映画を観る前に読みました。
前半が失踪した婚約者を探す展開で、ミステリ好きな私には馴染みやすく、もっと早くこの人の話を聞けばいいのにとか、登場人物に「ツナグ」の映画を思い出したりしながら、とても面白く読み進みました。後半は失踪後の婚約者の生活が描かれて、自分の身近な場所が舞台だったこともあり、こちらも大変興味深くハマりました。この構成がスッキリと分かりやすくて、一気読みでした。
確かに、身近な分ホラーよりホラーと言いたくなるような恐怖や闇があり、身につまされることも多くて、自分の過去を反省しながら読みましたが、丁寧な人物描写やストーリー展開が良くて、エンディングも好みだったので読後感が良好で、読んで本当に良かったです。
その後映画も観ましたが、小説とは色々違うところがあって当たり前と思っていても物足りなさを感じて、小説とは印象も異なりました。私は小説を先に読んでいて良かったです。
他の辻村作品も読んでみたくなりました。
また、同じTV番組で解説の特集にゲスト出演されてた朝井リョウさんの解説も、期待以上に面白くて、まだ読んだことがない朝井作品も気になっています。