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レビュー
3
2007-03-05
- 事情により、幼い頃に両親と離れて暮らす事にな
った筆者の半生を綴った書物である。筆者は、少
年時代を児童養護施設で過ごしたが、大人数で暮
らす環境は、精神的に逃げ場のない場所に思えた。
そんな中、施設の近くにある大学の鉄道研究会に
顔を出すようになり、やがてその大学に進学した。
この過程で筆者は鉄道趣味を楽しむだけでなく、
施設の外の世界で多くの事を学んでいった。
大学時代に母親と、３０年近く経って父親とも再
会を果たすが、父親は数年後に異郷で突然亡くな
ってしまった。当初は相続手続を行うために鉄道
を利用することが多くなったが、これを契機に自
分のために父を弔うため、短期間に全国各地へ汽
車旅をするようになった。自分自身を取り戻すた
めに。
作中、様々な事柄について、作者の考えを述べて
いる。私とは相容れない部分も多いが、あとがき
については共感できる部分もあった。筆者も、ま
えがきで全ての人に一般化できるのではないと述
べているし、様々な考え方があることをこの本を
読んで私は学んだ。
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