院政 （50代／男性）
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評価 
5
投稿日：2006年05月12日
本書は、「なぜ国（中央政府）レベルではなく、自治体（地方政府）レベルで政策革新（新たな政策の採用）がなされるのか」、「そのときの自治体の思考・行動様式はどのようなものか」という明確な問題意識に基づき、今日的政策といえる景観条例を素材に取り上げて分析を加えたものである。
著者は、前著『自治体政策過程の動態』（慶應義塾大学出版会、２００２年）でも同じテーマを探究しているが、前著にもまして素材を絞り込み、より深い分析を加えている。
元自治体職員という著者の経歴も影響を与えているのであろうが、現地に足を運んでの現場の職員等へのヒヤリングやアンケート調査といった地道な努力を厭わず、また、自治体職員のメンタリティーをも踏まえた明晰な実証分析をみせる。
また、それを様々な理論にあてはめ検証を加えることにより、アカデミックな視点も付加し、読む者をして納得せしめるものとなっている。
まさに理論と実証の両方を兼ね備えた書となっており，研究者のみならず，自治体関係者にも是非手にとって一読していただきたい。なお，その際，より理解を深めるためにできれば前著と併せて読まれることをお勧めします。
日頃，当然のように自分たちが自治体の現場で行っている作業が，アカデミックな観点からみるとこういうことだったのかと目から鱗が落ちる感覚を味わえると同時に，明日からの仕事に自信が持てるようになること請け合いです。
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