味覚は幼少期に食べたもので決まると聞いたことがありますが、まさにその通りと実感しています。
子供のころは、おくどさんと羽釜で炊いたご飯を櫃に入れたものをいただいていましたが、炊飯の熱源が薪炭→ガス→電気→LPガスとなり、炊飯器具も羽釜→ガス釜→ガス炊飯ジャー→電気炊飯ジャー→土鍋・圧力鍋・ジオプロダクト・南部鉄釜の併用になり…時代の変遷とともに熱源も器具も移り変わっていき、お櫃を普段使いすることからずいぶん遠ざかっていました。
エコと省エネのため、炊飯ジャーでの保温をやめて都度炊飯することにし、やがて炊飯ジャーそのものもやめることにして、白米を鍋で炊き、タッパーに小分けして冷蔵保存するようになってずいぶんになりますが、子供のころに食べたご飯がふと思い出されて、程よく水分のあるツヤっとモチモチした粒立ちの良いごはんが食べたくなって、購入しました。
今は鉄釜で炊いた玄米や分撞き米を主に、用途に応じて鍋を変えたりして、白米や雑穀米などもいただいています。
購入した製品を、糠を水でもんだ汁(米のとぎ汁より濃厚)であく抜きをして早速使ってみましたが、おろしたてなこともあって、少し木のにおいがしますけど、程よく水分があり、ツヤっとモチモチした粒立ちの良いご飯は、昔懐かしいご飯そのものでした。
普段、玄米と分撞き米をメインにいただいていますが、白米と変わらず良い状態でいただけ、水分量・粘り・甘み・食感が好く、ご飯の美味しさが改めて実感されます。
なるほど、料理屋さんや料理旅館がお櫃を使うわけです。
購入直後なので順調に末永く使えるものと期待をしますが、数年もしないうちに歪みや木の癖が出てきたり、木がやせたり、箍が緩んだり、底板が抜けたりすることも多分にあると思うので、極端な乾燥を避けつつ適宜手入れをしながら、その時が来るまで大切に使っていきたいと思います。