車や電車、女性たちのファッション、おかっぱ頭の子どもたち…
被写体のどれもに「昭和」が感じられて、ふふふっと笑ってしまう。
仙台は初めて訪れた時から、しっかりとした計画の下設計されているな…と感じていた街。
青葉通りのアスファルト舗装は昭和29 年に完成したとか。
「滑走路でもつくるのか」と噂された当時の道路は、周辺も低層の建物ばかり。
60年以上経て、並木のケヤキも立派に繁り、構想通りの道路に成長(?)したと思われる。
やはり圧巻は仙台七夕で、年を追うごとに賑やかに立派になる商店街
おしゃれをして闊歩する人々の笑顔の中、風になびく七夕飾りの写真は
モノクロであっても華やかで、カメラマンの力が入っているのがわかる。
見る昭和史は、仙台市民でなくても面白い。
その時代の風景・風俗を撮影し保存している地元新聞社と一般のカメラマンがいて、それらを一冊の本にまとめる出版社がある―この文化コミュニティの濃さ・深さといったものが、なによりもの宝物であり、本書の魅力の源。
それをつくること自体、簡単なことではなく、それなりの時間と人々の思いが必要なのだろうな…と思った。
自由に往来ができるようになったら、この本の写真を脳裏に焼き付けて、
「現代の仙台」を訪れ、のんびりと散策してみたい。