新入受刑者は「5類」に始まり、「真面目にお勤め」すれば「3類」に「出世」するとか、洗ってはいけないタオルによって「懲罰審査会」が行われた話とか、仮保釈のときは、「まっすぐ保護観察所に行かなければ仮保釈が停止される」とか詳しく書くと本の価値を下げてしまうことになるので記せませんが、知らないことばかりでした。普通は、このような内容は本には載らないのでしょうけれど、さすが、井川意高氏といったところなのでしょうか。私は文庫版であるこの「増補完全版」の前の本も購入したので、最後の、「文庫特別書き下ろし 出所」以外は既読で、購入がもったいなく(文章ページは30ページのみ新しい)思え悩みましたが、結局購入しました。その他、カジノに関する、ご意見は経営者及びギャンブルで受刑することになった当事者としての両方の視点から論じられていらっしゃいますが、それも大変興味深かったです。「文庫特別書き下ろし 出所」には満期日が記されておりますが、その日までなにも起こらないことを無関係の身ですが望みます。