お遍路道の自然描写がとにかく美しい。湿った空気や雨上がりの青い空、土の匂いや風の音まで頭の中で体感している自分に気づく。まるで脳の中で私も四国遍路をしているような感じになる。その美しい遍路道を迷いながら歩いて、心の葛藤を経て成長していく彼らを応援している自分がいる。
お遍路初心者マークの著者は、厳しいお遍路道への感想を正直に書いている。時には面白おかしく、疲労が極限に達した時は感情を爆発させ、またその後大いに反省したり。アメリカ人の夫との珍道中にこちらも笑ったり泣いたりハラハラしたり。お接待の意味や道程もよく書かれていて、四国遍路を巡るため、ありがたい一冊となった。若い人にも読みやすいガイドブックではないかと思う。