初瀬尾作品でした。すごく読みやすくて、いつもより読むスピードが早かったように思います。 タイトル通りに、おいしそうな食べ物がよく登場して、色々食べたくなりました。一人一人個性的で魅力的な登場人物が生き生きと描かれていて、家族はホント色んな形があるんだなと、しみじみ。そんな中、思いもしない出来事も起こって、人生何が起きるかわからない、日常生活のありがたさが身に染みました。 大変なことが多い今、平和な世の中になるよう、願わずにはいられません。

かつて死のうとした父と、罪悪感から別居を始めた母、勉強もスポーツもできるのに大学に行かず農業法人に就職した兄を持つ佐和子の中学生から高校生までの物語。 食卓とあるが、料理の話ではない。 各々勝手に生活しているわけではなく、常に起点も終点も家族なのだが、それがありがたかったり疎ましかったりする。 それぞれがそれぞれを思いやっているのだけど、すれ違いができてしまうものなのかな。 佐和子の彼氏が交通事故で亡くなる展開は、悲しく、ヒリヒリした。

誰もが日常のチョットしたズレを気に留めながら暮らしている事。 変化が起きた時に日常の大切さに気づかせてくれる事。 周りに実はとても助けられて過ごしている事に甘えてしまっている事。 そんな事を改めて気づかせてくれた内容でした

ほっこりした話しかと思いきや、そうではなく、でも随所にあたたかい優しさが感じられるお話でした。人生いろいろあるけど、家族と共に頑張ろうと思いました。