「鹿男あをによし」以来、久しぶりに万城目学の作品を読みました。「十二月の都大路上下ル」と2作収録されています。2作とも青春小説ということもあり平易な言葉で淡々と物語が進みます（アッという間に読めます）。それを嫌い、『これで直木賞受賞か』と否定的に評価する人もいますが、登場人物のさり気ない触れ合いや会話に万城目ならではの温かい眼差しがあり、私は良い作品だと思いました。最近の芥川賞受賞作より遥かに優れた小説です。