この本は、最近の小説やラノベに読み慣れている人には難しいかもしれない。そのため、巻末の解説を読んでから本編を読むことをお勧めしたい。
この本は1994年1月に中公文庫より刊行された「日の名残り」を掲載したものである。昔の小説特有(?)の長ったらしい文章であり、適度な場所で改行が無いため、私にとっては馴染みにくい作品であった。
しかしながら、巻末の解説であらすじや作品の特徴を理解した後に、改めて本編を読んでみると、大変深みのある作品であることに気づかされた。
ストーリーは主人公が旅に出るところから始まり、そのなかに彼の過去が織り込まれる。かつて仕えていた主人への敬慕、女中頭とのあれこれ・・・を振り返り、最終的に自分の生き方を悔いる描写が切ない。
今後も何度か読み直してみたい。