ご存命の頃から、潔い女優さんだなとは思っていましたが、こちらを読んで、
その思いは更に強くなりました。
本当に一本芯が通り、肝の座った、潔いお人柄が溢れる言葉ばかりでした。
ご本人はご自身を『薄情』とか『愛情深くない』とか述べられていましたが、
私は冷静な切り口や語り口の底にある、とんでもなく深い『情』を感じました。
ここまで、投げ出さず最後まで向き合うことができるものなのか。
たくさんの言葉の中でも、よく出てくる言葉、
『始末をつける』
そして
『やがて哀しき』
それから、最後まで全うなさったと思う、
『命を使い切る』
素敵だな、と思いました。
ラストにある、愛娘・也哉子さんの喪主代理の挨拶は、当時ワイドショーでもよく流れていましたが、母の教えとして述べられていた言葉
(あえて、こちらには記載いたしません)
私も心に留め置き、残りの生をただ全うできれば幸せかなと思いました。
素敵な本でした。
今さらながら改めて、希林さんのご冥福を心よりお祈りいたします。合掌。