十二国記の新作を今更購入。
今回は王と麒麟の出番はほぼなく、
官僚と民を主役に置いた短編集。
既存のメンバーは陽子のみちょっと登場。
解説は辻真先氏。
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丕緒の鳥は慶、落照の獄は柳、
青条の蘭は雁、風信も慶の話。
どれも十二国が存在するなら起こり得るだろう
問題・背景を描いた佳作。
最初ちょっとしんどくて最後に読んだ
落照の獄が個人的には現在一番。
今まで外側からしか描かれていなかった
柳内部の問題を刑法(死刑)を軸に描いてます。
救いも甘さもない小品なので好みは分かれるかと。
この作家の知識と目線、齟齬のない描き方は秀逸。
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ただ、私的にはしおり以外は講談社文庫のほうが好み。
山田章博氏のイラスト自体は素敵だけど
この作品にはいらない気がします…。
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今後は戴の話も楽しみですが、
短編がでるなら恭の珠晶登極後や範王の話なんかが
読みたいですね。
帯付きの綺麗な本でしたし、文句なしの満点です!