父の手術死の真相を知るために医者となった娘が、その手術の執刀医の元で
研修医として働いていると前代未聞の事件が発生する、という医学サスペンス
です。チームバチスタのような真相解明がある訳でもなく、全体的にアッサリ
風味、ストーリー展開はテンポよく分かりやすいが予想通り、全てが予定調和
でハッピーエンド、といった所でしょう。正直もっと二転三転するかと思って
いたので、ちょっと残念、犯行手段も現実的にはありえないご都合主義的な印象
です。自らの使命を懸命に果たそうとする登場人物の姿勢は確かに丁寧に描かれ
ており、それなりの爽快感はありますが…、東野作品としては凡庸な作品だと
思います。主人公の最後のセリフもダメダメです。