近畿日本ツーリスト創業者の馬場勇氏の実録小説である。終戦後幾人かが集まり旅行斡旋業からはじめる。新しい企画、特に修学旅行に目をつけ、名も無い会社からスタートした。資金難の連続で給与もろくに支払えなくひたすら支店拡大と業務拡大に奔走する。資金難はピークに迫りやがて近畿交通社と合併し近畿日本ツーリストとして再スタートする。近鉄の資本をバックに事業、収益は増加し後のJTBと肩を並べるまでに成長する。ページ数が少ないので余すところまでは無理だが大変面白い作品だった。高杉良著「辞表撤回」のJTB作品と読み比べると面白い。一般文学通算1366作品目の感想。2015/01/31 20:55