人々が根拠を持たず資産に夢中になるとき、その資産の価格が急激に上昇する。しかし、その上昇は永遠には続かず、いつかは頂点に達し、崩壊する。この本では、シラー教授が過去の実例を振り返りながら、その本質に切り込む。
なお、この本は、相場のタイミングを計る術を身に着けるためのものではない。著者であるシラー教授ですら、それは難しい(事実、シラー教授は「株が割高だ」と発言した後に、株価が大きく上昇したことで、TVのコメンテーターから批判されている)。
しかし、世界恐慌、ITバブル崩壊、リーマンショックが起きた時、シラー教授が発明した、CAPEレシオが非常に高い水準であったことは注目に値する。
今日の米国株のCAPEは30近く、過去2, 3番目に高い水準である。一度立ち止まって、この本を手に取り、今日の経済について考えてみることは、価値のあることではないかと思う。