やれミシュランの三ツ星レストランで修業したシェフが…とか、比内地鶏を贅沢に使った…とか、能書きばかりで、美味しいには美味しいけれど、「ああ美味しかった」で済んじゃう料理が横行する中で、「懐かしい」と思わせてくれる逸品だと思います。今だけ美味しいと感じる「ラーメン」じゃないのが良いです。街頭テレビにたむろしていた、力道山に、長嶋に沸いた頃の「懐かしい昭和」裸電球の下で、欠けたどんぶりに注がれた透明のスープ。伸びかけの歯ごたえもない細麺に、貧相な具を覆い隠すがごとく盛られた刻みネギ。貧しかったけれど、心の温かだった日本人が、こよなく愛した「中華そば」。その正に復刻版。やってくれましたね。嬉しいです。ごめんなさい。商品が貧相なという意味ではありません。そうでなければ、郷愁漂う「中華そば」をリピートなどしません。美味しさと一緒に、思い出をありがとうという意味です