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2015-11-02
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- 幻のSF映画
- 古い鉱山のある町アリゾナ州サンドロックの近くに隕石が墜落し、天文学者ジョン(リチャード・カールソン)は恋人のエレン(バーバラ・ラッシュ)を伴い調査に向かう。隕石と思われた物体は不時着した宇宙船であり突然の岩崩れにより埋没するが、その直後から町の住人の中に奇妙な行動をとる者が現れ始める。ジョンは宇宙船修理の資材調達のために異星人が町の人々と入れ替わっている事を知り、事が済むまで見守ろうとするが、異星人の行動が理解できない保安官マット(チャールズ・ドレイク)をはじめ町の住人達との間で板挟みになってしまう。
いわゆる侵略ものSFとは異なり、ここに登場する異星人には地球を侵略したり攻撃したりといった意図は無いものの、姿を借りた地球人は人質扱いで場合によっては殺し、いざとなれば地球を切り裂くことも可能だと言い切るあたりはかなり高圧的だ。三千年かけて恒星間飛行を実現し、いよいよ異空間へ旅立とうという高度な科学技術を誇るわりにちょっと気が短いところがある。
一方でジョンも平和的な話し合いを望みながら、片手にはピストルを構えていて本心が分からない。保安官マットになると異星人のふるまいに我慢が出来ずジョンの説得に耳も貸そうとしない。このあたり、異文化に対して常に警戒心を抱いてしまい、下手すりゃ「やられる前にやったれ！」と短絡的な行動に走りがちなアメリカ人そのままという感じもあって、このお互いに事態の平和的解決を望みながら、一歩踏み出すことが出来ないジレンマは、撮影当時の世界情勢、特にソ連との冷戦を反映しているようにも思える。
それにしても自分たちの姿が地球人から見てあまりにも異質であり、それが対話を困難にすると言う異星人が、いざ目の前に姿を現した時、思わず目を背けてしまうジョンはちょっと不甲斐ない。それは失礼ってもんですよ。このジョンという主人公にイマイチ感情移入出来ないため、地球壊滅の危機を回避すべく何とか穏便に事を運ぼうと奔走する彼の姿がドラマティックに映らないのが難点。特撮がなかなかの迫力の宇宙船墜落からミステリアスに展開する映画序盤に比べ、中盤以降もどかしい人間ドラマに終始して、ラストも何となく拍子抜けでブラッドベリやマンシーニといったビッグネーム参加のわりに物足りなさが残る。 - このレビューのURL
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