こういった、一つのメリットが複数のメリットを兼ねているような、最小限のコストで最大限の機能を発揮するギアはそれだけで欲しくなる。
樹脂製の軽い密閉型のケースは防水で水に浮く。構造も単純で、使用中のアクシデントによる損傷は避けられないとしてもいわゆる故障というものをしにくい。ケースが光を分散するので光量は申し分なく発色も鮮やか。
ひねるだけでONーOFFできるライトには、ストロークが短くうっかり点灯してしまうものも多いけどこれはそんなこともない。
取り付け方法にペンクリップもあればなお良かった。
スティックライトには個人的なエピソードがあります。
私は阪神淡路以来、応急手当など最低限の防災スキルを習得し、いわゆるEDCを常に携帯するようになりました。釣り針や狩りの道具みたいな少なくとも日本での被災において実用性を疑うようなものは組み込んではいませんが、それでも東日本以降その総重量は5キログラムとなり、防災オタクと嘲笑されるようになりました。自分でも頭がおかしい自覚はあります。
それでも数年前ガソリンスタンドの屋根が積雪の重量でつぶれてしまうような大雪が降る夜、停電で真っ暗の、膝まで雪に沈むような道を2時間かけて徒歩で帰宅する必要に迫られた時、リュックに反射板と赤いケミカルライトをぶら下げて歩く事態を経験しました。
道程の半分近くがバスが行き違いできないような、歩道の整備されていない狭い道路の路側帯を歩かなければならなかったので、ドライバーから視認されているという安心感は非常に大きかった。
この商品はケミカルライトより明るいので、また役に立つときがあるかもしれません。当時町中にもかかわらず本当に遭難しそうだったのでもうこりごりですが。