明治生まれの祖母が昔使っていたのと同じ、簡素な引き出しの無いタイプのものをずっと探していました。
鉋、箱ともに日本製と言うことも、購入の重要な決め手でした。
まず、いちばん大切な鉋の部分は、ずっしりと重く、ガッチリとした厚みがあり、切れ味、削り心地に関しては全く申し分の無い、上等な品物でした。
昔のものと違って、底にゴムで滑り止めがしてあるので、支える左手がとても楽です。
合板のものと違って桐製なので、手でさわった感じがとても柔らかく、暖かくて、手に優しく馴染むことに、初めて触れた時気づきました。
祖母のものより一回り以上も大きいのですが、桐なので軽くて、高いところからの出し入れが楽です。
また、見た目も木の肌が明るく、柔らかい感じがして白をベースにした私の台所に良く合いました。
木目もきちんと合わせてあり、丁寧な良い日本の仕事のものだとわかります。
3.11以降、大量に備蓄したパックの削り節がそろそろなくなり、保存していた本枯れ節を削るようになりました。
朝の忙しい時間にはそのひと手間がちょっとした気持ちの負担となっていましたが、これが来てからは逆に癒しの時間となっています。
お姑さんから借りていた、ちょっと(?)物々しいプラスチックの削り節製造マシーンは、簡単でとても楽だったのですが、お礼を添えてお返ししました。
自分のかつ箱を持つのは初めて。手で削るのは子どもの時以来の久しぶりだったのに、すぐにしっくりと来て、もうすでに自分の台所仕事の心強い相棒となりつつあります。
長く使っていくうちに少しづつ味が出てくるのも、これからの楽しみです。
以上、一ヶ月と少し毎朝使ってみての感想でした。