東日本大震災時、仙台勤務でした。発災後、停電やガソリン不足で交通手段が限られる中、自転車はどこに行くにも貴重な足でした。持っていたママチャリをボランティアセンターの友人に貸してしまったため、もう1台買うことにしましたが、どの店も休業。やっとみつけた古い自転車屋さんに駆け込んだところ、「もう普通の自転車は全部売れてしまって当分入荷の見込みがない。これ1台しかないけど」と言われたのがスタンドも泥よけもついていないスポーツタイプのもの。躊躇しましたが、やはり移動の足が必要なため思い切って譲っていただきました。
それから、ボランティア活動でも、仕事でも、いつもこのスポーツ車と一緒でした。自転車好きな方には見るに堪えないかもしれませんが、おしゃれな細いタイヤで凸凹になった道もがんがん走りました。
転勤で仙台を離れた後は、乗る機会も少なくなり、スタンドもつけないまま室内の壁にもたれさせて置いていましたが、「まっすぐの状態に置いておかないと自転車によくない」と友人に言われ、この商品に出会いました。
組立もかんたん、安定性もあり、まっすぐに置くことができるようになりました。
もうあのような悲惨な災害が起きないことが一番ですが、いろいろなことを教えてくれた東北の人と土地と今もつながっていることを感じさせてくれる大切な友(自転車)をこれからも大事にしていきたいと思っています。