本書はタイトル通り、かなり「実践」的な本だと思う。著者が現場で当事者たち(別居親、同居親の両方)と接するなかで培っただろう「ノウハウ」が、これでもかと惜しみなく書かれている。
当事者の私はこの本で、誰かを頼ることの大切さ、つまり(元)夫婦の間に入ってくれるひとを見つけることの大切さを教えてもらった。本書で示される方法は、裁判所で弁護士や調停委員が示すような解決策とは別次元なので、離婚に悩む当事者の「ものの見方」の引き出しは確実に増えると思う。
子どもを真ん中に置いた(元)夫婦の関係構築は、スパッと割り切れるような解決策はなく、本書に登場する多くの当事者が示すように、長期的なものとなりそうだ。本書はそこに向かう心構えも、(別居親や同居親などの立場を問わず)つくってくれると思う。