岩本ナオさんの作品と絵柄が好きだったのと、映画化されSNSなどで話題だったこともあり、購入しました。
スペシャル版は、表紙に金箔印刷が施されていたり、カラーの描きおろしイラストも掲載されていて、特別感満載で満足感がありました。
作中の建物のデザインや、登場人物の衣装や装飾が好きで、オリエンタルな装飾が好きな方におすすめしたいです。
(恐らく中東あたりの民族衣装をイメージされているのかな…?と推察したり…)
ストーリーと、主人公であるサーラとナランバヤルのそれぞれのキャラクターがとても良くて、一気に読み進められました。
貧困や戦争、世襲政治や、女性に対するルッキズムの問題などを扱っているとも捉えられる内容で、ストーリーの骨組みがしっかりしていて、最後まで飽きることなく泣きながら読みました。(強い政治的メッセージなどはありません。あくまで個人的に感じた感想です。)
岩本ナオさんの絵柄のおかげで、より親しみのある物語になっていますが、サーラはお姫様だけれど、産まれた環境のせいでたぶん一般庶民と同じ感覚を持っているし、多くの女性が悩むことと同じ悩みもあるところが親近感も沸き、愛おしく思えるところです。
ナランバヤルは聡明で活発な青年という感じで、人に敬意を持って接することができる人間なのだなと思いました。
貧困に陥った自国のために、また自分の未来のために、武力ではなく知性を使って戦い、国や人を守ることができるのは、これみんな好きになるやつでは…?とときめきながら見ていました。
サーラとナヤンバルは、偶然の出会いではあるけれど、出会うべくして出会ったようにも思えるほど、(勝手な推測ですが、敵国同士で育ったため価値観の相違が大きそうですが)相性の良い2人だなとにこにこしながら見守る気持ちで読んでいました。
産まれた環境や育った環境は違えども、お互いを認め合い、受け入れることができたのは、サーラとナヤンバルの視野の広さと豊富な知性の賜物のように感じられました。
岩本ナオさんの作品はどれも面白いので、期待していましたが、想像以上でした!