美しい故郷とお家を守りたいー天下一の塩引鮭が名産の御領国・越後丹生山へ初入りした若殿・小四郎。そのなりふり構わぬ姿に、国家老が、商人と民が、そして金が動き始める。人の世を眺めていた七福神まで巻き込んで、奇跡の「経営再建」は成るか?
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TV時代劇ドラマ「壬生義士伝 新選組でいちばん強かった男」や「一路」を観て大変面白く感じ、その原作者:浅田次郎さんの時代小説を読んでみたいなと思い、その作品を読み始めました。
あらすじから察すると、「壬生義士伝」のシリアスで真面目な物語かと思っていまいしたが、確かに上巻はそんな感じで、若き現藩主や家臣たちの倒産防止の苦労アレコレ、前藩主の計画倒産の悪だくみアレコレと読み応えはありましたが、展開のスピード感がなく、読み疲れし、いつものような一気読みではありませんでした。
上巻のシリアスで真面目な物語から一転、個性豊かな七福神が登場、主役が誰かわからないひっちゃかめっちゃかな展開、「一路」の喜劇風タッチ、展開もスピーディで一気読みでしたが、結末がはっきりしない締まらない終わり方で、全体としてはあまり面白くなかったですね。
これは、本で読むより、今年6月に上映される?映画を見た方が、面白いかも。。。
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■本書の基本情報
・筆者:浅田次郎(アサダジロウ)
・略歴:1951(昭和26)年、東京生まれ。陸上自衛隊に入隊、除隊後はアパレル業界など様々な職につきながら投稿生活を続け、1991年、『とられてたまるか!』で作家デビュー。「地下鉄(メトロ)に乗って」(1995年、第16回吉川英治文学新人賞)、「鉄道員(ぽっぽや)」(1997年、第117回直木賞)、「壬生義士伝」(2000年、第13回柴田錬三郎賞)、「お腹召しませ」(2006年、第1回中央公論文芸賞、同年、第10回司馬遼太郎賞)、「中原の虹」(2008年、第42回吉川英治文学賞)。2015(平成27)年、紫綬褒章受章。2019年、菊池寛賞受賞。
・出版:文藝春秋
・発売:2022年9月(第1刷)
・ページ数:391p
■これまでに購読した浅田次郎の著書
・「黒書院の六兵衛」(上・下巻)
・「天切り松闇がたり」…第1巻まで
・「大名倒産 上巻」
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◆AFP情報 … ジャンル:本・雑誌・コミック、料率:3%