EXITの兼近さんは、明るいキャラクターで勉強ができない方(すみません)というイメージだったので、話題性はありますが期待はそんなにしていませんでした。
ですが、良い意味で衝撃を受ける内容でした。主人公石山のような境遇は稀なのかもしれませんが、その心情はどんな人にも共感するものがあると思います。そしてその心理描写がリアルで人間臭くもあり、心が揺さぶられます。
最初はやんちゃで生意気な子供だと思っていたのに、どんどん石山の心の叫びに苦しくなり、どうかこの人が救われてほしいと思うようになりました。
現実には石山のような人に対し、イメージで悪口を言ってしまったり、無視をしたり、なんとなく嫌いになってしまう人のほうが多いのかもしれません。この人の背景まで見ようとする人はとても少ないでしょう。
作中の中島さんのようなことを言える人は一握りだと思います。
それでもたった一つの出会いで人生を変えた石山のように、なにかのきっかけで変われる人がいるのかもしれないと気付きました。
素敵な本に出逢わせてくれてありがとうございます。
学校の先生や子育て中の方、クラスに馴染めない子、馴染めていない子の隣の席の子、みんなに読んでほしいと思います。