この本については賛否両論あるようですが、私は特にファンではなく、夢枕獏が何年も前から絶賛されているのを見かけて、ようやく10年前に初めて「ポーの一族」を読みました。もちろん萩尾望都の名前は昭和の時代に連載されている頃から知っていましたが、その当時大好きだった池田理代子とは対極にあるような作家だったので、手に取った事もありません。そう言う冷めた目で50代になってから読んだ私から見ても、とても良く出来た面白い作品だと思いました。それが縁になって短編を中心に10冊ほど読みました。しかしここに描かれている作品で読んだ物は「ポーの一族」と短編の「半身」だけです。「イグアナの娘」はテレビドラマで見ただけですが、イメージがかなり違っているので、これをきっかけに漫画を読んでみたいと思いました。「母と娘」の関係ににとても興味を覚えたからです。しかし「トーマの心臓」とか「バラバラ異界」は読んでみたいとは思えませんでした。この辺りは「生粋のファン」では無いせいかも知れませんし、受け入れられる年齢では無いからかも知れません。とにかくとても興味深い評論本でした。「食わす嫌い」は良くないなぁと思うきっかけになりそうです。