序盤は、アンデッド化した3人に主人公が育てられるという異質さを感じるものの、読み進めるうちに、学ぶべきことの多い王道ファンタジーであり、自分が没頭していることに気が付きました。領主になった主人公のように、人の上に立つ人間が、聡明で慈悲に溢れる人であって欲しいと願わずにはいられない、優しい光に満ちた物語です。なお、主人公のウィリアムは上品なため、不死神スタグネイトに対しても、「そのセリフ、三流の悪役みたいだよ、神様」と発言しますが、「立てよド三流 格の違いを見せてやる」という野蛮なセリフは使いません。「鋼の錬金術師」のクライマックス場面に対する敬意を込めたオマージュだと思います。