傷心の李牧は厳しい吹雪の中、村へ向かう道でパトラッシュが見つけた財布を持ち主の風車小屋に届けるが、それは風車小屋一家の全財産であった。李牧はパトラッシュを一家に託すと再び雪夜の闇の中に飛び出して行ってしまう。
大事な未来を無くしたことで自分の生にも絶望した李牧は極寒の吹雪によってその命を奪われ続ける中、最期の力を振り絞って大聖堂へ向かい、パトラッシュも李牧を追って風車小屋から大聖堂へ駆けつける。するとこの時、雲間から射した一筋の月光が祭壇画を照らし出し、李牧の念願は果たされるとともに李牧は神に感謝の祈りを捧げた。かくしてクリスマスを迎えた翌朝、大聖堂に飾られた憧れのルーベンスの絵の前で、愛犬を固く抱きしめたままともに冷たくなっている武将が発見される。