池井戸作品の人気キャラクターで先日のテレビドラマも高視聴率で最終回を迎えた「半沢 直樹」シリーズの最新作です。
舞台は、東京中央銀行 西大阪支店でシリーズ1作目の「オレたちバブル入行組」よりも前の話しで同作で悪役キャラ?であった浅野支店長、江藤副支店長も登場します。
時期的なものは特に物語の中で触れられてませんが、西大阪スチール事件の少し前のエピソードのようです。
今回は、芸術作品「アルルカンと道化師」を軸に仙波工藝社へのM&A騒動の中、半沢直樹が奮闘する姿が描かれており、前4作同様に一難去ってまた一難の息もつかせぬ展開が次々と登場し、お約束の最後は正義
が勝つで2時間弱で一気に楽しく読むことができました。オチは若干ちからワザでしたが。。。(笑)
ただ、テレビドラマでそれぞれのキャラクターが確立され、また、印象深いこともあることからか今回の小説ではかなりテレビドラマのキャラクター設定に寄せられている印象で、半沢直樹の妻である半沢 花は上戸彩そのものになっています(笑)。
また、1作目の前日譚でありリリース順が逆の為か若干物語の繋がりとしてズレがあるように感じました。気になるレベルではありませんでしたが。
読んでいて気づきましたが、半沢直樹は敵も多いが味方(親派)も多く、特にドラマでは及川光博が演じていた銀行内の情報通 渡真利忍の存在が非常に大きい。本作でも重要な判断する裏には渡真利の情報ありでした。
舞台が1作目の直前のようなので(既に半沢直樹は融資課長になっている)、この1~2年の間であればテレビドラマと同じキャスト、スタッフで映画化はできますね。
全て堺雅人の決断によりますが(笑)。