例によって4篇が一冊に収められている体裁になっている。そして4篇各々が面白い。
「スキャンダル」と「バッシング」というような問題…異常な欲望を発散させる人物を懲らしめる一件…「怪現象?」と思われた事柄に向き合って明かされた意外な事実…そして「ネット上」の「賞賛」という何か訳の判らないことのために無理をする事象を食い止めようとする一件…そんな4篇である。
「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」、「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」というような、「人生を見詰める材料」というのか「“材料”になり得るかもしれない何か」を供してくれるような気もするという辺りが、酷く気に入っているシリーズだが、そういう味わいは本作でも変わらない。殊に最初の篇と最後の篇は、酷くそういうことを考えた。
眼に留まったモノから順にドンドン読み進めているが、本作の主人公であるマコトとの付き合いは更に続きそうだ…