超お勧め！「マーダーボットダイアリーズ」のイラスト繋がりで関連商品としてお勧めされていたのでぽちっとな。 それにしても本作ほど商品説明がわかりにくい書籍は初めてです。要するに「人間と犬のDNAを掛け合わせたハイブリッド有機AI知能が、人間の指揮・命令に基づき戦艦を制御している」という世界観です。犬が入っているので攻撃性もあるし群れもします。また人間が入っているのでアバターの世界ではヒト型をとって会話もします。また人間が入っているので心を痛めますし、後悔もします。本作の主役は人間に命令されて大量殺戮の片棒を担いだため心に傷を負い軍隊を退職し、人命救助団体で職に従事している戦艦です。 人格によっては戦艦が死ぬほど後悔しますし、AIなのである武器によって浸食もされます。その双方の面白さがうまくブレンドされていました。 内容自体は好みですが、全体の構成というか組み立てが、細切れの章立てで、各章の頭にその章の視点を担う登場人物名を冠することでかろうじて読みやすさを確保している、というあまりにもあまりの無芸さだったので星三つです。 小説の面白さは「発想」の他にも文章の組み立てや構成のうまさにもあると思うのですよ。 本作は「発想」は卓越するも、小説として、文章としては今一つでした。