本作は「死」というタブー視されているテーマをエンターテイメントとして取り扱っている。作者の水野氏の作品は、腹を抱えて笑えいつつ、ホロリと泣けるという感情のジェットコースターのような感じだが、本作でもその趣向は変わらない。
コロナウィルス感染症の脅威がささやかれている昨今、日本では亡くなる方は少ないが、海外で棺が並べられている様子が報道されたり、著名人がお亡くなりになったりと「死」を考えることが多い。また、人間関係が嫌になったり、精神的に病んでしまうこともある。
そういったことから、哲学や仏教の教えを平易にしたものを書店で見かけることがあるが、本書はそれをエンターテイメントにまで押し上げた一冊である。