DX、AI、シンギュラリティといった言葉が紙面やネットを賑わす中で、シン・ニホンはファクト(事実)に基づき「データ X AI時代」を俯瞰的に捉えた上で、問題点と解決策を提示する刺激的な本だ。
日本を再生し、残すに値する未来を構築したいという著者の熱い思いが伝わってくる。
だが、著者の主張はあくまでもデータに基づく冷静な分析に裏付けられている。国としてのP/Lの観点から見た未来のための最適なリソース配分を含め、グラフや表を使った説明・提案には説得力がある。経済的な発展とSDGsのバランスを取るという健全な視点も盛り込まれており、「風の谷」プロジェクトの進展も期待される。
本のレイアウトに関して言えば、脚注が巻末ではなくページの下段に記載されているのは、読み進めていく上で便利だった。