ジャンヌ・ダルクはあまりにも有名すぎて名前がキャラクターとして独り歩きしてしまい、かえってその業績を知られていない偉人の一人ではないでしょうか。
異端審問→火炙りしか知らない人も多く、集団ヒステリーによって殺されたと他の魔女裁判と勘違いされていることも。
この漫画では彼女の戦国武将的な一面、それに葛藤する敬虔な一信者としての一面が描かれます。
当時の政治的な背景もすんなり入ってきますし、古文における「あさきゆめみし」のように、中高生くらいの世界史勉強のとっかかりにも良いのでは。
戦闘シーン、部下などまわりの男性たちが恋愛ではなくジャンヌに惹かれていくさま、男の嫉妬、生き残りをかけた生臭い駆け引き、など大河ドラマ的な高揚感もありながら、その中で一人、主人公ジャンヌだけがときおり浮く、というか一人次元が違うところにいるかのように見えるのが印象的です。
この先どうなるんだろう。
結末は知っていても、わくわくします。