失恋の傷心と、人生の行き詰まり感を抱えての世界一周旅行。
数年前、ミギーさんの旅行記を綴ったブログを、後半リアルタイムで読んでいました。
ブログでは、ミギーさんの顔出しもありませんでしたし、旅行前の職業も伏せられていたので、アレコレ想像が広がったものでした。
ですがこちらの本ではご本人の写真もたくさんあり(表紙からしてそうですね)、具体的な職業にも触れられています。元ブログ読者にとっては、当時語られなかった部分が明かされる、種明かし的な楽しみを感じられました。
はじめてこの本でミギーさんの旅行を知る方にも、旅の始まりから、いくつものドラマチックな国々での体験、そして旅の終わりのハッピーエンドと、とても読みやすいストーリーになっていると思います。
世界一周旅行は今どき珍しくないと思いますが、ミギーさんの旅行先はチョイスがユニーク。
遊牧民に会いにモンゴルへ行き、ギリシャのとある島で全裸生活し、チベットの聖地で無許可巡礼し、ケニアのスラムでアーティストと交流するなど、未知の経験と、異文化で生きる人達との交流を求めて、興味の赴くままにあちこち旅しました。
その時々の体験と思いを、軽やかなことばにして読ませてくれます。
文章には人となりが現れると思いますが、ミギーさんは「全裸上等」みたいなあけっぴろげな姿勢で、下ネタでも楽しく読めるし、自分に嘘をつかずに、真摯にことばにする強さがあると思います。
旅への憧れのある方、人生に迷いのある方には、ぜひ読んでもらいたいと思います。
この本は、旅をすべて追いかけるのではなく、エピソードをいくつかピックアップしてまとめた感じになっています。
書籍としてのボリュームの制限があるのでしょうが、個人的には、ブログで一番好きだったシーンは、ベルギーでの犬顔男子との別れだったので、載っていなかったのがちょっと残念でした。笑。
この本、ミギーさんの旅は、波乱万丈で楽しいのでコミック化してもいいくらいじゃないでしょうか。
タイトルは、「旅がなければ死んでいた」よりは、「世界を旅するラブレター」のほうが、やっぱりしっくりきます。
またブログを読み返してみたいと思います。