評価が高かったので、母が興味を有したので代行買い。
個人的にも興味があったのでぼちぼちと目を通してみました。 率直な見解としては、お子さんがいじめや犯罪の被害者にも加害者にもなるのを防ぐために、道徳教育の一環として薦められるものの、書の内容がわかりやすい刑法や民法の説明に割かれていて、実際に現在進行形でいじめ等の被害を受けている子供たちに即効性があるものとして役立つかかなり不明慮な気がしました。 また、イラストや漢字のフリガナが細部にまであるのは確かに子供にでも読みやすいかもしれませんが、民法・刑法等の話は小学生高学年でも難しい感じで、十分に内容を理解できるのは中学生から上でないと困難ではないかという気がしました。
換言すれば、犯罪やいじめに巻き込まれた際、具体的にはどのような行動が出来、過去の事例ではどういった改善策があったかという点においてはかなり無力なのです。
一応、巻末数ページに渡りいじめ相談や警察関係などへのアクセス方法などは書いておりますが、犯罪・いじめの抑止力になる可能性がある書であるものの、タイトルが示している通り、子供にやってはいけないことを理解してもらうためのわかりやすい法律書といった域からは抜け出していない気がしました。
無論、このような書を作成し、青少年のいじめや犯罪において積極的に活動しておられる姿勢は評価したいのですが、実際当該問題に悩んでいる・苦しんでいる方々の支援材料となるのかを考えた結果、その部分については多少置いてきぼり感を感じたために★は4つとしました。
辛口の評価となったのは、知り合いにいじめ問題にはかなり苦しめられているご家庭があり、学校などに相談しても平行線をたどることが殆どで、解決策が極めて難しい問題であることを認識したことがあるからです。 このケースはまだ親御さんが両親ともかなり積極的に学校との話し合いを行っていましたが、ご両親がしっかりした方でも安易に状況が好転するほど簡単な問題ではないのですから。 換言すれば、親御さんに行動力がなかったり、お子さんとのラポートが構築されていない場合はより問題は深刻となる可能性は大。 それだけこの類の問題は難しい側面を孕んでいるケースが多々としてあります。
この書をきっかけに少しでもいじめや犯罪に苦しめられる子供が減ってくれることを切に願う限りです。