初めて読んだ時に、1巻冒頭のお墓参りのシーンがずっと気になっていたので、もしかするとメインの二人は死に別れるのかな…と、考えながら読んでいました。
連載中から度々、吸血鬼として半永久的に生きなければならない和重と人間として限りある命の昭彦が試されるように岐路に立たされる姿にハラハラしながら読んでいました。
お互いを想いあうから譲れない一歩は和重の方が最愛の家族を見送った経験から頑なですが、明彦の一途な気持ちにほだされていくのがシリーズ通して読んでいて良かったです。
純情ワンコ攻めですね!(笑)
一人にしたくない、側にいたい、ひたむきに真っ直ぐに愛情を注がれて、和重の気持ちがゆっくりと溶けていくのはホッとする所でした。お互いをそれぞれの包容力で包み込む雰囲気は、しっくりきてお似合いだと思います。
最終的には吸血鬼と人間、結果的には共に生きていたいという気持ちがしっかりと二人にあった上で見舞われてしまった悲劇的な状況に難しいことを考える余裕などなく、ただどうしたいか。どうありたいのか。危機的状況で判断し、選んだふたりですが、ストンと納得できるエンディングで良かったです。
この二人の未来には落ちつく所に落ち着いて良かったと思います。
お互い寂しくなく、生涯支えあっていく姿に安心しました。
巻末の『永遠の恋人』はその後を生きる和重と昭彦の姿が描かれてます。
時は流れても変わらず寄り添う二人に、良かったねと思います。
吸血鬼シリーズ、いわゆるファンタジーになりますが…誰と寄り添い生きていくのかという話なので、ファンタジーというよりは人間愛な話と感じました。
絵もキレイですし、オススメします!