「不思議の国の少女たち」が気に入ったので、その後がわかる当巻をポチっとな。
なじみのある登場人物と再会することができ、基本的には満足しました。
「まるで砂糖をまぶしたようなおとぎ話」ではなく、「砂糖をまぶしたおとぎ話」そのものですよね。
ただし、中盤以降、一行がスミが訪れたナンセンスの国に入ってから、怒涛のロジック固めに目が点になりました。広げた風呂敷をたたんで物語の最終ゴールに向かうという行為自体、ある種ロジックの産物です。それでも、ほかでもないナンセンスの世界の下りで、それらのロジックが畳みかけるように押し寄せてくるので、物語的には納得できても「ナンセンスのうまみ」はどこだろうと微妙な違和感を抱きました。
物語の最後で「ナンセンスはロジックで支えられている可能性がある」と記述しているので、たぶん作者自身気づいているでしょう。
というわけで、結局はきちんと説明されてきれいにまとまったエンディングになりました。
その一方で、ロジックを持つものを抹消にかかる校長先生が訪れたような生粋のナンセンスの世界だったら、いったいどんなラストを迎えたのか気になったりしているのです。