自分はなぜ生まれてきて、なぜ生きているのか。そして、なぜ死ぬのか。
あなたは考えたことがあるだろうか。「生きる理由」「生きる目的」を。
それがわからないと、小さな「自分」の殻に閉じ籠ってしまい、自分のことだけを考える小さな大人になってしまうだろう。
本書には、あなたが「生きる理由」を考えるための「ヒント」が書かれている。あなたが生きるために必要な「哲学」が書かれている。
著者は参議院議員の青山繁晴氏。
日本初の独立系シンクタンク「独立総合研究所」の社長兼主席研究員を経て、2016年に参議院に当選した。本業は危機管理の専門家で作家。多数のベストセラーがある。
本書は、「ぼくらの祖国」「ぼくらの真実」「ぼくらの哲学」の三部作に続く流れの最新刊だ。副題で「ぼくらの哲学2」とある通り、先に出た「ぼくらの哲学」の続編でもある。
どの本も、自分の頭で考えるための問題提起に溢れた良書ばかりだが、この最新刊も期待以上のものだった。
本書を開くと「筆者から読者へ」と書かれたメッセージに続いて、いわゆる「はじめに」の部分が約30ページも書かれている。「源流の章」と題された序章だが、常識ではあり得ない分量に驚いた。
ここには、本書を貫く重要な問題提起がなされている。すなわち「不安の解体」とはどういうことか、だ。
なぜ筆者がこれほどまでに魂を削って日々活動しているのか、私たち読書に何を伝えたいのか、がよくわかる。私もしっかり考えてみたい。
あなたなら、この著者からの問題提起をどう考えるだろうか?
著者は言う
『何のために社会にいるのか、何のために働くのか、何のために子育てをするのか、何のために学ぶのか。それを知らずして生きることほど、底知れぬ不安の苦しみに直結することはない。子が親をあやめ、親が子をあやめる祖国と成り果てたのは、ここに根っこがある。』
人は、何のために生きるのかを知らないが故に、不安を抱えてしまうのだ。本書を読んで、著者と一緒に考えてみて欲しい。