いつもながら、橘玲氏の新刊を楽しみにしています。毎度、新しい発見や刺激を受けるのを楽しみにしており、エビデンス、歴史、論理的なアプローチは、明快です。下記、面白かったところとメモ書きにします。
・人類はかつて水生生活していた?
・石槍の発明という大量破壊兵器
・日本にはなぜ華僑財閥がないのか?
・道徳の起源は相互監視
・日本人はひ弱なラン
・咲ける場所に移りなさい
・日本人・中国人・韓国人は(白人と同程度に)知能が高く、性格的に真面目で内向的だから、ポジティブ思考のアメリカ社会ではリーダーにはなれないかも知れないが、賃金の高い専門職に最も向いているのだ。
この本を読んで、なぜアメリカの留学生で成績上位なのがアジア系なのかがエビデンスや論理を持って語られていたのが面白かった。また、石槍という大量破壊兵器の発明で、誰でもボスの寝首をかけるため動物のように身体能力が高いだけのボスではなく、相互監視による道徳力を持ったものがリーダーとなるという件もなるほどと感じた。
結論とすれば、自分の遺伝的、環境的、性格的比較優位を最大限に活かせる場所で生きることが、人生の幸せや成功につながると思った。ただ、日本人はポテンシャル的にはいいものを持っているが、今の場所から変わること変化することを恐れる、他人の評判や目を気にしすぎるため、その一歩が踏み出せる人が少ないのだと思った。しかし、その御蔭で貧富の差が先進国の中では小さく、常に上への監視もあるため、社会が他国に比べれば安定している。その分、活力がない、能力があっても認めれない社会になっていると思う。日本のこの環境で行きたい、生きていくしかない人が残り、それ以外は海外に活路を見出すのも手なのだろう。遺伝的には白人に負けないものを持っている日本人が、その真面目さ高コンテクスト、勤勉性を全面に押し出して努力をすれば、海外でもリーダーにはなれなくても、専門的な分野では成功できると背中を押していると思った。そういう意味では、海外に留学する学生が減っており、韓国に数で負けてしまうのは非常に心配だ。韓国はそもそも国内市場が小さすぎて、成功するためには海外に出るしかないという背水の陣という背景もあると思うが。