京極氏の近未来を舞台にティーンエイジャーが主人公の作品です。中禅寺氏や又一殿の活躍する作品とは異なる世界、異なるティーンエイジャーが主人公ですが、作品の芯ともいえる京極氏の近未来の情景の描き方は新鮮ですし、現実的で作品世界に抵抗なく入って、活劇調のスカッとした主人公達の活躍は、なかなか格好良く、どうしようもない不条理と感じる状況を疾走してゆく主人公に夢中になってしまいました。不条理や非情な事件…というものは、おそらくこれからも時代を翻弄してゆくような昨今、彼女達の胸のすくような活躍は新鮮で、一気に読んでしまいました。ですが、なんとも言えない主人公達の苦しみや生き様は、きちんと描かれていますが、ティーンエイジャー故か、読後は彼女達と一緒になって戦ったような気分がします。若いから…ではない若い、だけど、でも、もどかしい…彼女達の世界に是非足を踏み入れて下さいませ。若いだけではない彼女達より私は大人なのか…こんなに凛としている彼女達が眩しく感じました。京極氏のファンは是非御一読をオススメ致します。