この絵本を手に取ったらまず、
文字を読まないで絵だけ最後まで見て下さい。
きっと物語が読み取れます。
最後まで絵を見てから
最初に戻って文章を読むと
背景や気持ちが更に深く伝わってきて
爽やかな風を感じながらも
じんわり胸が熱くなります。
絵が主体でありながらも
絵と文が相互に補いあう
まさに「絵本」らしい絵本だと思います。
「かんけり」という遊びを知らない子のために
多少説明が必要であり文が長くなる部分はしかたないのですが
それ以外は本当に簡潔な表現で
主人公と友達の関係性や普段の様子や
この出来事の前後の変化(成長)が伝わりました。
クライマックスの数秒の出来事に
6見開き(12ページ)も使っていることで
画家の書きたい!という熱が伝わってきます。
それを32ページ(見返しもフルに使ってるのでもう少し多いですが)
にまとめて実現したのは
編集の方の力も大きいのではないかと感じました。
素敵な絵本をありがとうございました。