読みやすく、判りやすく、実践出来る、財産形成の良書だと思います。 宗教的デザイン？の表紙、USJマーケターというキャッチからは、自慢話か鼻につく内容と思いきや、 もし学校で、人生、お金、家計収支、財産形成を教えるなら、この一冊でと思える、ある意味正攻法の内容とも言えます。ただ、それが著者の半生と実体験をなぞるように書かれているので、投資初心者から実践中の中級者まで、一読の価値があると思います。 章立ては、お金とは？何故お金が欲しい？幾ら欲しい？の話から入り、生涯収支の見込み、改善方法あたりまでは、著者の体験が開示されており、物語のように読めます。（投資中上級者はここは流してもいいかと思います。） 第4章では、金融商品の仕組み解説に留まらず、お薦め出来る商品と出来ない商品が明示されており参考になります。(少なくとも投資初心者には） 第5章は、ポートフォリオ戦略となっていますが、著者のお薦めする株式保有銘柄数については4－5社までという事が後で判ります。（これが結構重要かと） 第6章は株価は何で決まるか？ですが、バリュエーションの説明かと思いきや、具体的な株価上昇下落の事例や見方に沿っての説明が親切です。 第7章の精神論を経て、いよいよ第8章の購入の3原則、第9章の売却の3原則が、本書の肝と思えます。 PEGレシオを勧めたり、企業財務や成長性分析の進め方などが具体的に示され、著者の購入、売却銘柄の事例もあります。展開されている主軸は小型株の成長株投資と四半期毎の見直し、暴落時の購入が出来る準備などの実践論ですが、実はこれがなかなか出来ず、人の分析結果の点数に頼ったり、投信つまみ食いになったり、ラップに逃げる中級投資家が多いと思います。 （実は私がそうですので、本書には、お金との付き合い方、取組方を改めて教えて貰った次第です。） これから投資を始める次世代の方にも勧めたいと思える良書です。 実際私は家族に渡すために、ここで追加で購入いたしました。