原作はレイ・ブラッドベリの古典的傑作と言われているものだが、この実写映画化は現在から見るとかなり緩い。何度も火星探検隊が行方不明になっているにも関わらず、「前の隊はどうしたんだろう」などとのんびり茶飲み話のように話していて、危機感がまるでない現隊員たち。それよりもっとびっくりしたのは、火星には空気(酸素?)がある設定で、宇宙服も着けず普通に降り立ち、会話をしていることである。従って、この火星は殆ど地球と変わらない環境になっている。原作が書かれた時代の科学認識でも、それは有り得ないだろうから、分かっていて書いており、読んだことはないが原作もそうなっているのだろうが…。特に地球滅亡後の第三部は火星が全編舞台となっているのだが、全然ビジュアル的に火星感、SF感がない。