謎の読売屋主人、庄之助に叩きのめされた湯瀬直之進は以来、庄之助の影に苛まれ、秀士館の稽古も精彩を欠いた。見かねた倉田佐之助は、友として庄之助の正体を探る役目を買って出る。その頃、表には出ないものの、江戸の大店が大金を強請り取られる事件が立て続けに起きていた。探索する南町奉行所同心の樺山富士太郎と、庄之助の身許を洗う佐之助の目が、徐々に同じ像を結んでいく。緊迫の展開を見せる、シリーズ第41弾。
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湯瀬直之進を叩きのめした庄之助を追う佐之助、富士太郎の姿に終始し、期待した湯瀬直之進と庄之助の再戦が無かったのは残念。いつものことながら、だらけるストーリー展開の遅さです。
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■書の基本情報
・筆者:鈴木 英治(スズキ エイジ)
・略歴:1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。'99年、『駿府に吹く風』(刊行に際して『義元謀殺』に改題)で第一回角川春樹小説賞特別賞を受賞。作品多数。気鋭の時代小説作家として注目されている。
・出版:双葉社
・発売:2018年6月
・ページ数:326p
■これまでに購読した鈴木英治の著書
・「口入屋用心棒」…第38巻を除く40巻まで(本書)