居眠り磐音こと坂崎磐音の嫡男・空也は16歳でひとり武者修行に旅立ち、今は19歳。試練の十番勝負を経て空也はいかに成長するのか。今回はその四番勝負。
五島列島の野崎島を後にした坂崎空也は、高麗との国境の島対馬に辿り着く。岬で高麗の国を望みながら、渋谷眉月に想いを馳せていた空也に、対馬藩の重臣に声をかけられ、滞在を許されることになった。しばらくして、その重臣に高麗船への同行を求められるが、厄介事に巻き込まれる予感がして。。。
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その温和な人柄で周り人々を引きつけ、その剣の強さで剣豪たちと立ち会い、勝つことで周りに恨みを買う。そんな波乱万丈の武者修行で、空也が何を得てどう成長してくかが楽しみです。また合間に江戸の尚武館道場の父・磐音、母・おこん、妹・睦月、門弟たちの生活ぶりや、モレ伝わる空也の修行ぶりに一喜一憂する場面は物語の緊張感を緩め、何となく和みますね。
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■本書の基本情報
・筆者:佐伯泰英(サエキ ヤスヒデ)
・略歴:1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』以後、スペインをテーマにした作品を発表。'99年、初の時代小説『密命』を皮切りに次々と作品を刊行、時代小説の旗手として高い評価を得る。
・出版:双葉社
・発売:2018年6月
・ページ数:315p
■これまでに購読した佐伯泰英の著書
・「異風者」
・「密命」(全26巻)
・「夏目影二郎始末旅」…第14巻で読み止め
・「古着屋総兵衛影始末」(全11巻)
・「吉原裏同心」…第16巻で読み止め
・「居眠り磐音江戸草双紙」(全51巻)、「居眠り磐音江戸草双紙 読本」
・「空也十番勝負 青春篇」…第3巻まで(本書)
・「酔いどれ小藤次留書」(全20巻)
・「新・酔いどれ小藤次」…第10巻まで