金融経済動向の基となる内外の政治状況にも触れているため、世界の現状を知るにもうってつけの内容。
毎年、経済動向を予測する投資家向けの本があまた出るが、出版されたきり、結果が検証されることはない。しかし、同シリーズと会員制レポート『金利・為替・株価特報』が示した注目銘柄は全て大幅上昇している。
トランプ大統領の正体について、大きな紙幅を割いている。彼はいつもメディアからたたかれているが、その理由は「米国の支配者」である強欲巨大資本から歓迎されていないからと指摘する。メディアが攻撃する対象は支配権力の敵、持ち上げる対象は支配権力の手先にほかならない。日本のメディアが植草氏をありもしない「犯罪」でこき下ろしてきたのも同じ理由と考える。
ただし、同書によればトランプ氏は「徐々に米国を支配する巨大資本との間合いを詰めていると考えられる」。
同書を読めば、マスメディアに接していると分からなくなる世界の実態が見えてくる。投資をする人もしない人も、真実の中で生きたい人は手に取ってほしい一冊である。